Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、3rdアルバム「BREAK THROUGH」の7曲目に収録されている楽曲、
「となりでねむらせて」
を、自由に正直に語る。
しがない男のラブソング
幻想的で、且つ、ふわりとした優しさと明るさに包まれた楽曲に合わせて、愛する女性に向けて歌われるラブソング。
曲名からドキッっとさせてくれるような本曲は、キャッチーなメロディーもさることながら、女性はもちろん、男性なら誰しもが共感できてしまうような歌詞が魅力だ。
非常に聴きやすい本曲は、初期のB’zとしては珍しいアレンジや雰囲気を気軽に楽しむことができるため、B’zビギナーにもオススメであり、改めてB’zの音楽性の幅の広さを改めて感じさせてくれる。
ちなみに、本曲は愛する女性に向けて歌われるラブソングであるが、男性である私でも、稲葉さんから「となりでねむらせて」と言われれば、何の躊躇もなく喜んで寝てしまうことだろう。
いつかは言われてみたいものだ。
演技派ボーカリスト、稲葉浩志
本曲における一番の聴きどころ。
それは、歌詞の内容に応じた稲葉さんの「歌い分け」である。
本曲は、先述のとおり愛する女性に向けられたラブソングである。
もちろん歌詞の内容はラブソングに準じたものになっているのだが、本曲の歌詞は一味違う。
なんと、曲名と同様に「話し言葉」(セリフ)を中心として書かれた珍しいものなのだ。
そして、その内容(話し言葉)に応じて稲葉さんが歌い分けているのだが、その歌い分けがまるで「演技」のようである点が興味深い。
感情を込めて表情豊かに歌い分ける様は、さながら俳優のようであり、稲葉さんの珍しい演技的な歌唱は必聴である。
ちなみに、その中でも一番の聴きどころは、
「違う、違うよ関係ないよ」
の部分であることは言うまでもない。
そして、男性としては、
「ずっと男は女に借りを 作ってばかりきたのだろう」
の部分には、頭が下がる思いである。
教員免許を所有するくらい頭も良く、イケメンで歌も上手い、まさに「パーフェクトヒューマン」とも思える稲葉さんであるが、歌詞のように恋愛に奮闘する様が見えると、同じ人間なんだとどこか安心できる。(THE小者)
イントロ
初期のB’zとしては珍しく、リズミカルに奏でられるストリングスサウンドからスタート。
別曲「LOVE PHANTOM」で聴かれるような、壮大で重厚なサウンドとは異なり、幻想的な明るさを持ち合わせ、よりライトに仕上がったサウンドとなっている。
良質な夢を見ている時の心地よさにも似た気持ちと、これから始まる楽曲へのワクワクした気持ちが入り混じり、すでにイントロから楽しめてしまう。
また、愛する女性と過ごす男性の幸せ溢れる気持ちを音楽で表現すると、このようなイントロになるのではないだろうか。
そして、突然のドラムのフィルで幻想的なイントロは収束をむかえる。
まるで、ハッと夢から覚めるような感覚だ。
メロ
夢のような幻想的なイントロセクションから、現実味を帯びたメロセクションへ。
本曲におけるメロセクションは、1コーラス目と2コーラス目で雰囲気が大きく異なる。
1コーラス目では、4つ打ちのバスドラムと透明感のあるパッドサウンドが楽曲を先導し、幻想的な雰囲気を残しながらも、ビートを抑えた優しい雰囲気となっている。
そして、2コーラス目からビートがハッキリと刻まれ、優しい雰囲気を残しつつも、よりリズミカルに明るさを増し、より一層と現実味を帯びたセクションとなっている。
なお、先述のとおり、歌詞の内容に応じて歌い分ける稲葉さんが一番の聴きどころであることは言わずもがな。
サビ
メロセクションと同様に、サビセクションにおいても1コーラス目と2コーラス目以降で雰囲気が大きく異なる。
バスドラムを中心としてビートを抑えた1コーラス目と、ハッキリとビートを出したリズミカルな2コーラス目以降で、メリハリが付けられたアレンジは、常に飽きずに楽しみながら聴くことができる。
流れるように聴くことができるキャッチーな優しいメロディーで、誰もが楽しめるサビセクションである。
ギターソロ
突き抜けるように奏でられるロングトーンのチョーキングから始まり、心地よいビブラートを織り交ぜたメロディアスなプレイから、刺激的で複雑な音階のプレイまで満遍なく楽しむことができる。
楽曲の雰囲気に合わせて高い構成力で演奏される本曲のギターソロには、喜怒哀楽のようなものが感じられ、まるで歌詞内の男女の愛の過程を想わせてくれるようだ。
稲葉さんが歌唱で演技したかと思えば、しっかりと松本さんはギターで演技をしていたようだ。
稲葉さんに負けず劣らずの俳優ぶりである。
ロマンチスト、松本孝弘
稲葉さんの話し言葉を中心とした珍しい歌詞を、松本さんが生み出す優しくキャッチーで聴きやすい楽曲に乗せた本曲は、万人が楽しめるような良質な作品である。
未聴の方はもちろん、色々なB’zの側面を知りたいと思うB’zビギナーにもオススメな楽曲だ。
身構えず肩の力を抜いて、稲葉さんの演技を楽しもう。
もちろん、松本さんの喜怒哀楽に満ちたギター演奏による演技も必聴だ。
ちなみに、本曲の歌詞の原案は松本さんによるものであるとのこと。
実は、松本さんの恋愛観が全面に表現された楽曲であるのでは?と考えると、聴こえ方がまた変わってくる。
いつもよりも一層感情豊かに聴こえたギターソロは、そのせいなのかもしれない。