Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、2ndアルバム「OFF THE LOCK」の5曲目に収録されている楽曲、
「GUITAR KIDS RHAPSODY」
を、自由に正直に語る。
クサい歌詞とストレートな楽曲
ゆるやかなテンポ・穏やかな曲調で展開される本曲は、タイトルから想定される通り、ギタープレイヤーが少年時代を振り返りながら、様々な情景や心情を歌うストレートでピュアな楽曲。
ギタープレイヤーはもちろんのこと、ギターを弾かない方でも共感できるような歌詞・聴きやすい曲調であるため、老若男女に人気がある楽曲だ。
そして本曲の歌詞はというと、これが恥ずかしくなるくらいにクサい。
誇張し過ぎではないかと思えるほどのピュアな世界観と、言葉を折り曲げない、真正面からの屈託のない内容だ。
しかし、その分だけ「好きなものを愛し続ける難しさ」や「好きなことを貫く難しさ」、「前を向きながら生き続ける難しさ」など、誰しもが共感できる突き刺さる内容となっている。
(しかも、歳をとればとるほど尚更に嫌でも突き刺さるから困る。)
ギター少年のあるあるにも共感できるし、大人になってからの様々な葛藤にも共感できて、楽曲の穏やかな雰囲気とは裏腹に、様々な感情が込み上げてくる。
タイトルや歌詞の内容から「ギタープレイヤー専門楽曲」と判断されがちではあるが、誰しもが思い悩む共通事項が盛り込まれているため、ギタープレイヤー以外の方にも是非とも聴いていただきたい。
そして、歌詞以外の楽曲自体の内容はというと、若干のクサさはあるものの、アクがなく非常にスッキリとした仕上がりとなっている。
メロディーにこれとった特徴もないし、繰り返し聴きたくなるような中毒性もない。
しかし、それは逆に誰しもが歌えるような楽曲であるということであり、ライブにおいては観客全員で一致団結して楽しめて、さらに歌詞の内容に没頭することができる。
本曲が老若男女に愛される理由はここにあるだろう。
ちなみに、本曲にはリメイク版もあり、その際にPVも制作さえている。
それぞれの内容については後日詳細を語るが、いろいろな意味で「世界」が広がっているため、未視聴の方は必聴・必見である。
イントロ
松本さんが伸びのある心地よいギターで、サビのテーマをなぞる。
ストレートな演奏が、本曲の持つピュアな側面を演出している。
メロ
松本さんのストレートな演奏に負けじと、稲葉さんもストレートな歌唱で夢や回想を歌う。
松本さんのギターを含めた伴奏が、稲葉さんの歌を邪魔することなく演奏されているため、聴き手は存分に歌詞の世界観に没頭できる。
(余談だが、カラオケで本曲を歌う場合に、良かれと思って「ジミヘン」を「松本」にして歌ったら、存命だ!と怒号を浴びたことがある・・・。)
サビ
誰しもが歌えるようなメロディーで展開されるサビ。
冒頭でも語ったように、特筆すべき特徴はないが、ライブで盛り上がれることは間違いない。
(ライブで合唱するようなセクションも存在していることからも、そもそもライブを意識して制作されている楽曲であるため、必然ではあるのだが)
また、稲葉さんの高音で発せられる歪みが、聴き手を熱く、グッとさせてくれる。
そして、初期の稲葉さんの表現拙い部分が相まって、歌詞の説得力が増している。
このピュアな表現は、現代の稲葉さんには確実にできないため貴重だ。
ギターソロ
珍しく冒頭からハモりを加えたギターで始まり、途中で音が跳躍するような一捻り加えたプレイではあるものの、やはりストレートを意識した後味良いギターソロだ。
そして、アウトロセクションではアドリブ感を強調した、松本さんの自由なプレイを聴くことができる。
ロックギタリストとしては、このピュアな楽曲の世界観を壊さないようにプレイすることは難しい事かと思うが、スタジオミュージシャンとしての経験から松本さんは良い塩梅で仕上げている。
ギターキッズは必聴だ。
元祖、ゆるぎないものひとつ
タイトルとは裏腹に、誰しもが歌詞の内容に共感し、ライブではみんなで合唱することができる本曲。
終始、誇張されたストレートな楽曲であるため軽視されがちだが、核の部分は別曲「ゆるぎないものひとつ」に通ずるように熱くて深い。
聴く世代によって内容の捉え方が変わってくる楽曲であるため、B’zビギナーはもちろんのこと、しばらく本曲を聴いていないといったB’zファンにも改めて本曲を聴いていただきたい。
今のあなたに本曲はどう聴こえるだろうか?