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Ryo'z on Guitar

B’z OFF THE LOCK

【B’z】「LOVING ALL NIGHT」を、自由に正直に語る。

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Ryo’z on Guitarへようこそ。

本日は、2ndアルバム「OFF THE LOCK」の7曲目に収録されている楽曲、

「LOVING ALL NIGHT」

を、自由に正直に語る。

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夜専用のBGM

稲葉さんが歌う英詞のラップが印象的な、どこか妖艶な雰囲気が漂うセクシーなファンクロックナンバー。

ライブはもちろん、暗い地下室で安酒を飲みながら雑に酔って踊りながら聴きたくなるような楽曲だ。

そして、夜のBGMにもピッタリ。

夜のBGM選びに迷ったら本曲をチョイスしよう。

現代のB’zの楽曲で有名どころのファンクロックナンバーと言えば「SPLASH!」辺りとなるが、SPLASH!ほど激しいロックではなく、打ち込みサウンドを全面に打ち出し、デジタルでロック控えめのファンキーな仕上がりとなっている。

B’zの音楽性の広さはファンであれば認識しているところではあるが、ハードロックユニット(バンド)と認識しているB’zビギナーが本曲を聴くと、あまりの乖離に驚くこと間違いなしだ。

とは言え、初期のB’zにおいては現代ほどのハードロックの認識はなく、打ち込みによるデジタルサウンドが当たり前であった訳だから、本曲を聴いて違和感を持てる現代のB’zビギナーが羨ましくも思える。

ちなみに、本曲は決してキャッチーなメロディーの楽曲ではない。

そもそもファンキーな本曲は、メロディー自体を楽しむような楽曲ではなく、楽曲全体の雰囲気やリズム、稲葉さんの様々な歌唱や楽器のパート毎のフレーズを楽しむような楽曲である。

サビだけを聴いて本曲の良し悪しを判断しないように注意しよう。

ただし、過度な期待は禁物。

ファンクテイストを「加えた」だけのファンキーな楽曲であるため、本場のサウンドを求めて聴くと肩を透かす。

あくまでもB’z流解釈のファンクロックナンバーであり、そこは少々遠目で見るくらいで納得できる。

なお、本曲にはリメイク版も存在し、そちらは全て英詞で、より激しいファンクロックナンバーになっている。

B’z流のファンクロックナンバーの解釈が強くなっているためこちらも必聴だ。

イントロ

街の雑踏のような環境音からスタート。

その後、デジタルな打ち込みサウンドのベースが加わり一気にファンキーな世界に。

バンドイン後は、松本さんの歪んだギターによる休符を巧みに交えた単音のリフで適度なロックテイストが加わり、続けて本曲の目玉とも言える稲葉さんのラップへ。

ラップと言えばこんな感じ、と誰しもが想像するような古典的なラップのため、稲葉さん以外が歌うと滑稽な姿になりそうだ。

一般人がカラオケで歌う際には要注意。

メロ

ラップから一転し、日本語による通常の歌唱へ。

ゆったりとした曲調に変化し、どこか怪しい妖艶な雰囲気に。

気だるさを意識したかのような稲葉さんの歌唱と、煌びやかに鳴る松本さんのクリーントーンのギターが、楽曲により一層妖艶な雰囲気を与えている。

まだまだ稲葉さんの表現力に乏しいところはあるが、初期の頃のハスキーな声質がマッチしており、現代の稲葉さんが歌うよりも断然に良い。

Bメロセクションでは、歪んだギターが加わりロックテイストが濃くなる。

サビまでの良い助走だ。

サビ

イントロ同様の伴奏の上で、コーラスの掛け声と共に稲葉さんが歌い上げる。

シンプルなメロディーのため、特段の中毒性はないが、ファンキーテイストな楽曲にはこれくらい落ち着きがあるメロディーが丁度良い。

シンプルで覚えやすいため、ライブでは観客全員で歌いながら楽しめるようなサビセクションになっている。

また、シンプルが故に生まれる平坦な退屈さを、稲葉さんが様々な歌唱で楽しませてくれる。

後半の語り調の珍しいコーラスも必聴だ。

ギターソロ

突き抜けるような気持ちの良いチョーキングで始まり、ピッキングを加えながら巧みに音程を変化させて、アームプレイによる効果音的サウンドを含んだギターソロになっている。

本曲のようなファンキーテイストの楽曲には、綺麗なメロディーやプレイは不要であり、むしろ世界観を壊す要因となる。

しかし、世界観を壊さない程度に崩したプレイというものは非常に難しく、想像以上に雑味を加えることができない。

松本さんは、お得意のチョーキングとアーミングで音程を巧みに操りながら音をぶつけ、ピッキングハーモニクスを効果音的に含ませつつも、「松本印」を残したまま、適度に雑味のある崩したプレイをしている。

雑味のある崩したプレイが苦手な松本フリーク真面目系ギタリストは、当該ギターソロを参考にしてほしい。

最初は捨て曲のように飛ばしても良い

冒頭でも語ったように、B’zの幅広い音楽性を知るためには必聴となる本曲。

しかし、キャッチーなメロディーを顔としていない本曲は、その良さに気がつくまでに何度か繰り返し聴き込む必要がある。

また、そもそもファンクテイストに慣れていないリスナーにとっては、より難しく聴こえてくるはずだ。

最初は捨て曲のように飛ばしても良いが、慣れるために「BGMとして」聴いて、徐々に耳に馴染ませることをオススメする。

身構えて耳だけで聴くような楽曲ではないことに気が付いたらこっちのものだ。

聴きながら体全体が気持ち良くなってきて、本曲の顔と魅力が見えてくる。

B’zのファンキーテイストを味わいたい方や、ハードロック以外の一面を知りたいB’zビギナーに是非とも聴いていただきたい。

そして、マズイ安酒を片手に気持ち良く踊りながら、もしくは、夜のBGMとして体を揺らしながら体全体で楽しもう。

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