Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、3rdアルバムである、
「BREAK THROUGH」
を、自由に正直に語る。
<はじめに>
このブログは、B’zの作品についてギタリストのRyo’zが、
・作品の概要 ・世界観 ・音楽性 ・聴きどころ ・稲葉さんのボーカル ・松本さんのギター ・イントロ、メロ、サビ、ギターソロ等のセクション毎の解説 等々・・・
B’zファンとして、ギタリストとして、そして音楽リスナーとして。
自身の経験を踏まえて解説、自由に考察しながら正直に語るブログです。
自信とチャレンジ精神が溢れる作品
「BREAK THROUGH」(ブレイク・スルー)は、1990年2月21日にリリースされた、B’zの3作目のオリジナル・アルバムである。
アルバムの帯にも記載されているとおり、本作のキャッチフレーズは「感性が誘惑された。創造力が突き抜けた。」
変化球のような形でリリースされた、前作の1stミニアルバム「BAD COMMUNICATION」の想定外のヒットから4ヶ月。
その追い風を受けるように自信を付けて勢いを増したB’zは、速度を緩めることなく、独創的でチャレンジ精神に溢れた本作を創り上げた。
トップスピードで自身の様々な殻を突き破り、新しい顔と現在のB’zに通ずるような独自の作風を見せた本作は、これから待ち受ける大きなブレイクまでの助走の最終段階となった。
まさに名実共に「BREAK THROUGH」な存在、仕上がりとなった本作について語っていこう。
B’zらしさ、独創性の向上
シンセサイザーの打ち込みやサンプリングを全面に打ち出し、色鮮やかなダンサブル作品としてリリースされた前作の「BAD COMMUNICATION」は、当時のB’zが制限なく自由にやりたい事をやりたい放題に詰め込んだ、まさに異例で異色な作風であった。
そんな、ある意味ヒットを度外視しているかのように思われた「BAD COMMUNICATION」であったが、B’z自身も想定していなかったまさかのヒットを記録する。
このヒットで何かを掴んだB’zは、自身の固定概念にとらわれない、自由で独創的な作品造りを始める。
特に、稲葉さんの作詞面における柔軟性や表現の幅は大きく向上しており、「太陽のKomachi Angel」や「ultra soul」、「愛のバクダン」等に通ずる独自のセンスが顔を出し始める。
本作の収録に加え、本作と同時リリースとなった3rdシングル「LADY-GO-ROUND」では、歌詞に百人一首の言葉を取り入れ、聴きなれない響きでファンを驚かせた。
もちろん、松本さんの作曲面もチャレンジ精神や遊び心に満ちている。
「B.U.M」では全英詞のラップを、「HEY BROTHER」ではヒップホップを、「SAVE ME!?」では大胆にジミ・ヘンドリックスのフレーズを取り入れる等、チャレンジ精神全開に幅広い音楽性を楽しませてくれる。
また、表題曲である「BREAK THROUGH」・「LOVE & CHAIN」・「となりでねむらせて」等の、万人が楽しめるようなアップテンポでキャッチーな楽曲。(BOYS IN TOWNは、少し無難過ぎるかな・・・。)
「GUITARは泣いている」・「今では…今なら…今も…」・「STARDUST TRAIN」等、しっとりとじっくり聴かせる楽曲を収録するなど、アルバム全体を通して非常に聴き応えのある、バラエティーに富んだ作品となった。
癖との向き合い方
そして言わずもがな、チャレンジ精神が溢れることに伴い、作品には良い意味でも悪い意味でも強い「癖」が現れる。
私の場合、本作を聴き始めた当時は、全曲を喜んで聴けるほど素直に楽しむことができなかった。
チャレンジ精神と遊び心に溢れた「B.U.M」「HEY BROTHER」「SAVE ME!?」の存在に戸惑ったからだ。
聴きなれない音楽ジャンルである上、その良さや魅力を理解できないでいる自分が嫌で仕方なかった。
(ちなみに、初めて聴いたのは10代にも満たない頃だったと記憶している。)
そんなどこか悔しさにも似た気持ちを晴らすかのように、キャッチーな「BREAK THROUGH」・「LOVE & CHAIN」・「となりでねむらせて」を中心に聴きながら、何度も繰り返し本作を聴き続けた。
それでも心底楽しめることはないまま、月日が経過した。
しかし、思春期の多感な頃には、「GUITARは泣いている」・「今では…今なら…今も…」・「STARDUST TRAIN」等のしっとりとした楽曲の魅力がわかるようになり、さらにギターを弾き始めて様々なジャンルの音楽に触れる頃には、戸惑っていた強い癖を素直に楽しめる自分になっていた。
私と同様、本作の強い「癖」に戸惑う方もいると思われる。
そんな方には、時間を掛けて耳を肥やすことをオススメする。
残念ながら、短期間で心底楽しめるようになることはない。
繰り返し何度も本作を聴くだけでも足りない。
少しずつ様々なジャンルの音楽を聴きながら耳を肥やし、さらに自身の人間性を成長させることで、やっとスムーズに耳に楽曲が流れ込んでくるようになるのだ。
とは言え、近道が知りたい!すぐに楽しみたい!と思う方もいるだろう。
そんな方のために、記事後半では本作における収録曲ランキングを掲載している。
最短で楽しむために優先順位を付けたランキングだ。
是非とも、本作を楽しむ上での参考にしていただきたい。
BREAK THROUGH(突き抜ける)は、音楽面だけじゃない
本作において最も目を引くジャケット。
冒頭の画像からもわかるように、そこに写るのは、まさかのビジュアル系バンドのような姿、メイクを施した貴重な姿のB’zである。
当時の流行を取り入れたとのことではあるが、初めて見た当時は見慣れない姿に驚いたものだ。
(1stアルバムの肩パッドの大きさにも相当驚いたが。)
特に稲葉さんの変貌ぶりは顕著で、一瞬別人に思えるほどの変わり様である。
また、歌詞カード内の写真では、目を全開に見開きながら、Mr.マリック顔負けのハンドパワーを披露している。
稲葉さん。来てます、来てます。
それでも相変わらずのイケメンぶり。
そして、もちろん松本さんも驚きの姿。
この頃の映像で見る松本さんは、相当ギラついていたな〜。
ちなみにこんな感じ。
めちゃくちゃ尖ってる!
そして、稲葉さんに負けず劣らずのイケメンぶり。
めちゃくちゃかっこいい・・・!
お分かりのように、BREAK THROUGHしていたのは音楽面だけではない。
当時のB’zは、日本一のバンドに向けて、様々な側面でBREAK THROUGHしていたのだ。
アルバム収録曲ランキング
本作の収録曲数は「11曲」。
どのように本作を聴くべきか、どの曲から聴くべきか迷っているB’zビギナーに向けて、本作の聴き方についてお教えする。
まず先に言っておくと、本作は全体を通して現在のB’zとはかけ離れた、デジタルなサウンドを中心とした作風。
ハードロック路線のB’zを期待して本作を聴くのはご法度。
ただただ肩を透かして、低評価の中で落胆するだけである。
本作は、「ロック」(アナログ)と「打ち込み」(デジタル)の融合を目指した作品。
そこを事前に理解して聴かなければ、本作の魅力を感じることはできない。
以上を理解いただいた上で、私は以下の順で聴くことをオススメしたい。
※曲名横の( )内の数字はアルバム収録番号。また、曲名下のリンクは、楽曲の個別レビュー。
1.BREAK THROUGH(3)
【B’z】「BREAK THROUGH」を、自由に正直に語る。
2.LOVE & CHAIN(6)
【B’z】「LOVE & CHAIN」を、自由に正直に語る。
3.今では…今なら…今も…(9)
【B’z】「今では…今なら…今も…」を、自由に正直に語る。
4.STARDUST TRAIN(11)
【B’z】教えて!「STARDUST TRAIN」ってどんな曲?B’zを愛するギタリストRyo’zが3分で解説。自由に【考察】正直に語って【レビュー】
5.となりでねむらせて(7)
【B’z】「となりでねむらせて」を、自由に正直に語る。
6.LADY-GO-ROUND(1)
【B’z】「LADY-GO-ROUND」を、自由に正直に語る。
7.GUITARは泣いている(5)
【B’z】「GUITARは泣いている」を、自由に正直に語る。
8.SAVE ME!?(10)
【B’z】「SAVE ME!?」を、自由に正直に語る。
9.BOYS IN TOWN(4)
【B’z】「BOYS IN TOWN」を、自由に正直に語る。
10.HEY BROTHER(8)
【B’z】「HEY BROTHER」を、自由に正直に語る。
11.B.U.M(2)
【B’z】「B.U.M」を、自由に正直に語る。
以上である。
選曲基準は、あくまでも私自身が感じる「わかりやすさ」。
メロディーのわかりやすさ(キャッチーであるか)や、曲全体の完成度(まとまり)を意識した基準だ。
もちろん、選曲基準を変えれば優先順位は前後するし、人それぞれ、B’zファンそれぞれの選曲基準があるため、これは一つの参考として捉えてほしい。
これからB’zを聴き始める方や、B’zファンであっても本作の聴き方がわからずに困っている、そんなビギナーの手助けとなれば幸いだ。
なお、上記にも記載しているとおり、収録曲を個別に詳しく語っているため、気になる楽曲があれば是非とも参照いただきたい。
さぁ、上々の現状を捨てよう!
これくらいじゃまだまだと本作をじっくりと聴いてBREAK THROUGH。
B’zへの情熱や愛情を更に深めよう!