Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、2ndアルバムである、
「OFF THE LOCK」
を、自由に正直に語る。
マインドの進化がもたらしたもの
「OFF THE LOCK」は、1989年5月21日にリリースされた、B’zの2ndアルバムである。
アルバムの帯や歌詞カード内にも記載されているとおり、本アルバムのキャッチフレーズは「マインドも進化する。」
では、前作のデビューアルバム「B’z」のリリースを経験したB’zは、2ndアルバムで具体的にどのように進化を遂げたのか。
私自身が感じる進化について語りたい。
圧倒的に進化した楽曲のクオリティー
本アルバムにおける最大の進化、それは楽曲のクオリティーである。
言わずもがなといったところであるが、前作のデビューアルバム「B’z」から圧倒的に進化しているのだ。
全曲シングルでリリースできるクオリティーを目指して制作された本作には、延べ1,000時間が費やされたという。
その結果できあがった本作には、2ndシングル「君の中で踊りたい」や、今でもライブで頻繁に演奏される「OH! GIRL」、裏ベストアルバムでもリメイク収録された「NEVER LET YOU GO」などの名曲が収録された。
キャッチーなメロディーの楽曲から、少し実験的な楽曲、ロックはもちろん、様々な音楽ジャンルのテイストを含んだ楽曲など、色とりどりの楽曲が揃っており、アレンジバランスも良く、非常に聴きやすい作品となっている。
前作のリリースから1年も経たずに、これだけ品質を向上させていることは素直に驚きで、この進化ぶりにはB’zの末恐ろしさを感じる。
メロディーはよりキャッチーに、歌詞は世界観に深みが増して、アレンジは楽曲の雰囲気・ジャンルに合わせたものになっている。
前作で感じる荒々しさは影を潜め、非常にマイルドな仕上がりだ。
たしかに前作については、ユニットの結成からたった4ヶ月という短期間でのリリースであり、楽曲制作自体も不慣れな状態であったため、同視点で語ることはナンセンスである。
そして、当然のことながら視点を変えれば、前作にはデビューアルバム独特の良さがあり、デビュー間もないアーティストが持っている特殊な鬼気迫る勢いと雰囲気を感じることができる。
マイルドな作品よりも、尖った個性がある作品を聴きたいといった方には前作がオススメだ。
【B’z】1stアルバム「B’z」を、自由に正直に語る。
初期作品でNo.1
私自身、B’z初期作品の中で一番気に入っている作品は本作である。
間違いなく不動のNo.1だ。
理由は単純に聴きやすいから。
本作には尖った個性が少なく、聴いていて素直に「良い曲だな〜」と感じる瞬間が多々ある。
身構えずにゆったりと安心して聴ける作品なのだ。
(ちなみに、私が初期作品として判断しているのは、1stアルバム「B’z」〜4thアルバム「RISKY」である。もちろん、その間にリリースされたミニアルバムも含む。)
そして、B’zビギナーに初期作品を勧める場合には、迷わず本作を挙げている。
上記でも語ったように、本作には色とりどりの楽曲が揃っており、故に守備範囲が広く、初めて聴いた場合にも、好みの楽曲を発見する可能性が高まるからだ。
B’zの初期作品で何から聴き始めれば良いのか迷っている方は、是非とも本作から聴くことをオススメしたい。
CDジャケットと歌詞カード
余談のようになってしまうが、CDジャケットと歌詞カードも進化している。
そんなところ進化のしようがないだろ。と思われるかもしれないが、これがしっかりと進化しているのだ。
(進化というか、前作の仕上がりがアレなので、標準レベルに戻ったといったところか?)
前作はデザインも作りも、チープというか、安っぽいというか、安価というか・・・とりあえず簡素なものだった。
まず一番アレなのは歌詞カード。
天下のB’z様の歌詞カードが、洋楽のように折りたたまれた「紙1枚だけ」のペライチ歌詞カードだったのだ。
「紙1枚だけ」なんて、どこぞのインディーズのCDより酷いかもしれない。
最初にこの簡素な歌詞カードを見たときには、B’zは期待されていないデビューだったのか・・・なんてネガティブな想像をして、ショックを受けたものだ。
しかし、本作からは、夢の冊子による歌詞カードである。
圧倒的な進化だ。
ただし、まだまだ安心してはいけない。
フルカラーではないからだ。
写真も数枚掲載されているのだが、もちろんフルカラーではない。
少し残念には思うが、まだまだ伸びしろがあるということでポジティブに考えよう。
そして、ジャケットデザイン。
前作の白い背景を全面に打ち出した明るいデザインとは異なり、黒と紺を全面に打ち出した、若干ダークでスタイリッシュな仕上がりとなっている。
ここは好みもあると思うが、不意に笑いが込み上げてくるような尖ったデザインの前作よりも、万人に受け入れられるような今作のデザインの方が進化していると感じる。
B’zの二人の顔も影で半分隠れており、半分程度しか見えないのが、アーティストらしくてカッコいい。と、小物感たっぷりに思うのだ。
Rockではない
さらに余談になるが、本作のタイトルで間違われやすい点について。
よく見るとわかるのだが、音楽ジャンルの「Rock」ではなく、鍵の「Lock」であることに注意していただきたい。
(CDのジャケット裏にも、しっかりと鍵のイラストが記載されている。)
ここでは、現状の固定概念に囚われず、新たな一歩を踏むために自身の鍵を外して、新たな扉を開くとの意味になっているようだ。
とは言え、「OFF THE LOCK」を聴き始めた当時の私も完全に音楽ジャンルの「Rock」だと思っていたため、本アルバムはロックテイスト控えめのアルバムだと勘違いしていた。
収録曲ランキング発表
さて、本作の収録曲数は「10曲」。
どのように本作を聴くべきか、どの曲から聴くべきか迷っているB’zビギナーに向けて、本作の聴き方についてお教えする。
まず、本作は全体を通して現在のB’zとはかけ離れた、デジタルなサウンドを中心とした作風。
ハードロック路線のB’zを期待して本作を聴くのはご法度。
ただただ肩を透かして、低評価の中で落胆するだけである。
本作は、「ロック」(アナログ)と「打ち込み」(デジタル)の融合を目指した作品である。
そこを事前に理解して聴かなければ、本作の魅力を感じることはできない。
以上を理解いただいた上で、私は以下の順で聴くことをオススメしたい。
※曲名横の( )内の数字はアルバム収録番号。また、曲名下のリンクは、楽曲の個別レビュー。
1.SAFETY LOVE(4)
【B’z】「SAFETY LOVE」を、自由に正直に語る。
2.NEVER LET YOU GO(3)
【B’z】「NEVER LET YOU GO」を、自由に正直に語る。
3.OH! GIRL(8)
【B’z】「OH! GIRL」を、自由に正直に語る。
4.ROSY(9)
【B’z】「ROSY」を、自由に正直に語る。
5.君の中で踊りたい(1)
【B’z】「君の中で踊りたい」を、自由に正直に語る。
6.夜にふられても(6)
【B’z】「夜にふられても」を、自由に正直に語る。
7.GUITAR KIDS RHAPSODY(5)
【B’z】「GUITAR KIDS RHAPSODY」を、自由に正直に語る。
8.LOVING ALL NIGHT(7)
【B’z】「LOVING ALL NIGHT」を、自由に正直に語る。
9.HURRY UP!(2)
【B’z】「HURRY UP!」を、自由に正直に語る。
10.OFF THE LOCK(10)
【B’z】「OFF THE LOCK」を、自由に正直に語る。
以上である。
選曲基準は、あくまでも私自身が感じる「わかりやすさ」。
メロディーのわかりやすさ(キャッチーであるか)や、曲全体の完成度(まとまり)を意識した基準だ。
もちろん、選曲基準を変えれば優先順位は前後するし、人それぞれ、B’zファンそれぞれの選曲基準があるため、これは一つの参考として捉えてほしい。
これからB’zを聴き始める方や、B’zファンであっても本作の聴き方がわからずに困っている、そんなビギナーの手助けとなれば幸いだ。
なお、上記にも記載しているとおり、収録曲を個別に詳しく語っているため、気になる楽曲があれば是非とも参照いただきたい。
さぁ、あなたも本作を聴いて、B’zマインドを進化させよう。