Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、1stシングル「だからその手を離して」の2曲目(いわゆるB面)と、1stアルバム「B’z」の3曲目に収録されている楽曲、
「ハートも濡れるナンバー ~stay tonight~」
を、自由に正直に語る。
松本さんのブルージーな朝
松本さんはロックギタリストだ。
そんなことは周知の事実だが、ロックギタリストの一言では片付けられないことも、また事実。
B’zファンであれば、ロック以外の音楽ジャンルを演奏する松本さんを、当然のように知っている。
ジャズやファンク、そしてブルース等、ロックというジャンルの垣根を超えて演奏するギタリストだという事実を。(もちろん、垣根を超えても松本印は残しているし、残念ながら、消すことができないのも事実。)
そして、本曲は、初期作品の中では珍しく、実はかなりブルージーなギターがフューチャーされた楽曲だ。
B’zにおける、松本さんのブルージーなギターの目覚めといえる。
なお、本曲も「だからその手を離して」と同様に複数のバージョンが存在し、原曲となる本曲については、打ち込みを中心としたデジタルなサウンドとなっている。
打ち込みによるデジタルなサウンドとブルースギター。
強烈なコントラストだ。
イントロ
どこか悲しげな鍵盤のイントロから始まる本曲。
一瞬、バラードが始まることも想像させる。
しかし、その鍵盤が鳴り終わった瞬間から、一気に「まとわり付く」ような、強烈な粘りのあるブルージーなギターが始まる。
正直なところ、B’zを聴き始めた当時は、ギター以外の周りの打ち込みによるデジタルサウンドに耳が傾き、こんなにも生々しいギターであるとは気が付かずに聴いていた。
初期B’zのコンセプトである、「ロックとデジタルの融合」は、まったく果たせていないが、打ち込みによるデジタルなサウンドと強烈なブルースギターのコントラストは、実に実験的で面白い。
メロ
強烈な松本さんのギターが終わると、セクシーな吐息と共に、静かに稲葉さんが歌い始める。
稲葉さんのボーカルについても、松本さんのギターに負けず劣らず、実はかなり生々しい仕上がりだ。
やはり、周りのデジタルサウンドに惑わされてはいけない。
初期の稲葉さんのハスキーな声質が存分に生かされており、良い意味での「気怠さ」は、本曲にとてもマッチしている。
サビ
サビに入ると、稲葉さんのボーカルは一気に加速する。
慣れないレコーディングで緊張しているのか、表現や歌い方を誇張しすぎている部分はあるものの、良い緊張感が生まれており、聴き手としてもハラハラできる。
ここでも、初期の稲葉さんのハスキーな声質が存分に生かされており、良い意味での「気怠さ」と、高音域の「歪む」ようなしゃがれた歌声は、やはり本曲にマッチしている。
現代のハードなB’zサウンドに、この当時の稲葉さんの歌声を合わせれば、本曲は理想的な姿になるかもと勝手に想像してワクワクしたりする。
余談だが、冒頭でも紹介したとおり、本曲は、1stシングル「だからその手を離して」の2曲目(いわゆるB面)に収録されている楽曲だ。
そして、本曲のサビの歌詞では「手をのばしておくれ」と言っている。
「だからその手を離して」からの「手をのばしておくれ」・・・。
そう、これは世界三大どっちやねんの一つである、「結局、手をどうすればいいねん?」なのだ。
知らなかった方は覚えておこう。
稲葉さんの「手好き」が伺えるし、「アメとムチ」を知れて、皆んなのハートは濡れている。
もう、ビチョ濡れなのだ。
ギターソロ
稲葉さんの「gimme guitar!」と叫んでから始まるギターソロ。
チョーキングとビブラートが気持ちいいロングトーンが最高で、松本さんらしさが存分に出ている。
ギターのサウンド面で言えば、現代のサウンドから比較すると、確かに「線の細さ」は感じるものの、バックのデジタルサウンドとマッチさせることを考慮すれば、丁度良いサウンドである。
「本質」を聴くことはナンセンス
その全体的なデジタルサウンドに耳が傾いてしまい、どうしてもブルージーさを感じることは難しいが、「本質」を聴こうとすると、男の汗臭さや泥臭さを感じることができる。
しかし、「ロックとデジタルの融合」を目指していた当時のB’zの背景を考えると、その「本質」を聴くことはナンセンスだ。
やはり、打ち込みによるデジタルなサウンドから、ブルージーな「本質」を垣間見るように聴くくらいが、丁度良い。
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