Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、1stミニアルバム「BAD COMMUNICATION」の1曲目に収録されている楽曲、
「BAD COMMUNICATION」
を、自由に正直に語る。
「7分25秒」のDANCE空間
打ち込みやサンプリングを多用してダンステイストを強めたロックナンバー。
説明不要のB’z代表曲のひとつであり、初期の楽曲でありながら、現在もライブやリメイク等で頻繁に演奏される楽曲である。
本曲は、収録時間「7分25秒」とB’zとしては異例の長さを誇り、インパクトのある曲名や歌詞、B’zらしさが色濃く出ている楽曲、盗作疑惑が浮上するようなフレーズ等が盛り込まれた「遊び心」溢れる楽曲となっている。
1st、2ndシングル・アルバムとは比べ物にならないほどに振り切った作風であり、初めて本曲を聴いた当時は、「楽曲の長さ」や「遊び心」が理解できず、正直聴きづらいといった印象であった。
しかし、聴き続けて耳に馴染ませると共に、ギターを弾き始めてから様々なジャンルの音楽を聴くようになると、徐々に本曲の魅力に触れることができるようになり、今では大好きな楽曲となっている。
Led Zeppelinのカバーでしょ?
先述でも触れた盗作疑惑。
本曲を語る上で(B’zを語る上でも?)決して避けて通れない話題である。
問題となっているのは、イントロや曲中に何度も耳にするフレーズ。(厳密に言えば、コード進行や楽曲構成も含まれる。)
そのフレーズが、伝説のロックバンド「Led Zeppelin」の楽曲である「Trampled Under Foot」のギターリフと酷似しているのだ。
あまりの酷似ぶりに、盗作を超えて、当時の音楽家たちは本曲を「Trampled Under Footのカバー曲」と勘違いするほどだったという。
しかし、これは先述でも語ったとおり「遊び心」の一つだ。
本曲において、このフレーズが必須かと言えばそうではない。
実際にこのフレーズがなかったとしても成立する楽曲であるし、別のフレーズであっても十分に成立するわけである。
楽曲制作する上で、自身のリスペクトするアーティストの楽曲のフレーズや一部分を取り入れるワクワク感、そして聴き手が「あっ!これって、あのアーティストのあの曲だよね!」と一喜一憂している姿を想像すると嬉しくなるのである。
もちろん、B’zファンの中でも賛否両論であり、ただの盗作であるとネガティブに捉えてしまう方もいる。
私もギターや楽曲制作を始めるまでは「遊び心」を完全に理解することはできなかったし、純粋に「あぁ、良い曲だと思ったのにパクリだったのか・・・」と落胆した経験もあるため、仕方がないことであるということは理解している。
「盗作」と捉えるか「遊び心」と捉えるか、それぞれの受け止め方で良い。
とは言え、贅沢を言えばやはり「遊び心」を理解いただきたいし、遊び心を理解できた日には、本曲を含めたB’z楽曲を聴く楽しさが更に増すため、是非ともその境地まで行ってほしい。
さぁ、ギターと楽曲制作を始めよう。
「BAD COMMUNICATION」を知らない?
先述のとおり、本曲は説明不要のB’z代表曲のひとつであり、現在もライブやリメイク等で頻繁に演奏される楽曲である。
故に本作を聴いたことがある方は非常に多いと思うが、意外にも「原曲」である本曲を聴いたことがある方は少ないのではないだろうか?
本作には様々なバージョンが存在するが、その要因の一つとして「発売権」がある。
あまり知られていないが、原曲である本曲の発売権は「他社」にあるのだ。
そのため、ベスト盤などに原曲をそのまま入れることができず、バージョン違いのリメイク版を入れるしかないという大人の事情がある。
(非公認ベスト・アルバム Flash Back-B’z Early Special Titles-は除く。)
そのため、一般的にはバージョン違いを聴く機会が多く、原曲を聴いたことがない方が多くなるのだ。
もしかすると、あなたはまだ「BAD COMMUNICATION」を知らないかもしれない。
未聴のB’zファンは急いで聴くべし。
イントロ
Well, I really don’t know how to say,
But, I guess I love you
(何て言えば良いかわからないけど、たぶん私はあなたを愛していると思う)
上記の言葉を語る女性の声からスタート。
その後、逆再生サウンドのサンプリングや、4つ打ちのドラム、Trampled Under Footを彷彿させるリフなどが流れ、一気にダンス空間に。
さらに勢いをまして、お馴染みのメロディーが流れ、稲葉さんの腰振りが頭をよぎる。(B’zは本曲で初めてのテレビ出演を果たした。その時の稲葉さんの腰振りが最高にカッコいいので、未聴の方は必見である。)
メロ
例のリフの上に稲葉さんがボーカルイン。
wow wow wow〜と続けるフレーズは、初めて聴いた当時は非常に衝撃的だった。
なお、演奏時間の省略のため、ライブでは2番から始まるのが定番となっている。
サビ
冒頭の「Hey,Hey」や、メロセクションから続く後半の「wow wow wow〜」など、斬新なアプローチが続くサビセクション。
そして、ここ一発の最後のキメである「BAD COMMUNICATION」。
メロディーは聴きやすいのか?キャッチーなのか?等という、細かい話を超越し、特殊なフックが多すぎて、嫌が応にでも耳が引っ張られてしまう。
耳馴染みするまでには苦労するものの、馴染んでしまうと癖になるから不思議だ。
初期のB’zとしては異例の作風であるが、現代においては「B’z色」「B’zらしさ」とも受け取れる作風である。
ギターソロ
打ち込みを多用したダンサブルな楽曲と相反するかのように、ロングトーンを多用したメロディアスなギターソロとなっている。
その明確なコントラストは、ギターソロの存在感を高めており、あっさりしたプレイながらも聴き手の耳に残りやすい。
また、斬新なアプローチが続く中で、落ち着いたアプローチのギターソロは、唯一の安心感にも似た感覚を与えてくれる存在である。
(ライブでは弾きまくっていることが多いが・・・)
ちなみに、楽曲の後半のサビセクションでは、アドリブをふんだんに取り入れたプレイを稲葉さんの歌の後ろでひっそりと聴くことができる。
楽曲後半の勢いの加速を担うプレイだ。
最後に
今やB’zの代表曲の一つとして、B’zファンはもちろん、一般リスナーにも広く認知され愛されている本曲。
聴いたことがない人の方が少ないと思われるが、未聴の方には是非とも聴いていただきたい。
そして、冒頭でも語ったとおり、楽曲の長さや遊び心に溢れた斬新なアプローチ、盗作疑惑など、本曲を聴く上ではいくつかのハードルが存在するため、苦手意識を持ってしまうかもしれない。
すぐに超えられるハードルから、時間を要するハードルもあり、本曲の魅力に触れられるようになるには、徐々に耳を鳴らしていく必要がある。
無理をせずに聴き続け、自分に合った楽しみ方で聴くことがベストである。
自己流の楽しみ方で「7分25秒」のDANCE空間に身を預けよう。