Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、4thシングル「BE THERE」の2nd beatである、
「星降る夜に騒ごう」
を、自由に正直に語る。
<はじめに>
このブログは、B’zの作品についてギタリストのRyo’zが、
・作品の概要 ・世界観 ・音楽性 ・聴きどころ ・稲葉さんのボーカル ・松本さんのギター ・イントロ、メロ、サビ、ギターソロ等のセクション毎の解説 等々・・・
B’zファンとして、ギタリストとして、そして音楽リスナーとして。
自身の経験を踏まえて解説、自由に考察しながら正直に語るブログです。
キューティーなB’zと一緒に騒ごう
日頃の嫌なことを全て忘れるように夜の時間を存分に楽しみ、「また明日から頑張ろう」とポジティブに過ごす男女の情景を歌った、軽快でアップテンポな爽やかPOPナンバー。
現在の骨太なハードロックを主体とするB’zとは随分と駆け離れたサウンドは、デジタルなサウンドとビートを全面に打ち出し、軽快で爽やか、キラキラとした鮮やかさに満ちた可愛らしいサウンドとなっている。
そのサウンドの可愛らしさと跳ねるようなリズムの本楽曲は、余計な考えを捨てて、肩の力を抜いて気軽に楽しめる様な楽曲であり、B’zファンからひっそりと愛される隠れた名曲である。
ちなみに、本楽曲を聴き始めた頃の私は、過激なロックサウンドに飢えるギターキッズであったため、本楽曲の可愛らしさに物足りなさを感じていた。
しかし、30代前半にもなると、嫌なできごとを払拭してくれるような可愛さに飢え始め、癒されるような本楽曲が優しく響くようになった。
満足ではあるものの、嬉しいかな、悲しいかな・・・。
とりあえず、誰もが楽しめるような安心の一曲であるため、未聴の方には是非とも聴いていただきたい。
レコーディング、嫌いです。
本楽曲が出来上がった経緯ついて、稲葉さんはライブで正直に語っていたことがある。
この頃の稲葉さんは、松本さんに対して「今、最もレコーディングが好きな男」。
そして、自身に対しては(レコーディングについて)「好きじゃないです。ハッキリ言って嫌いです。」とコメントしている。
↑レコーディングについてコメントする当時の稲葉さん。
そして、続けるように、連日狭い部屋(空間)で行われるレコーディングのプレッシャーに押し潰されそうになっていることを告白。
そんな中、くじけずに楽しく歌うために考えることは、バンドメンバーやファン、そして松本さんのこと。
そんな、自分を奮い立たせるようなシチュエーションを思い浮かべて作られたのが本曲なのだとか。
完璧に思える稲葉さんも、エンターテイナーとして苦悩している訳で、そんなことを想いながら本楽曲を聴くと聴こえ方も変わってくる。
↑レコーディング大好き、当時のまっちゃん。
〜beat 爆誕
B’zのシングルにおいて、今では当たり前のように見かける「1st beat」・「2nd beat」の表記。
いわゆる「A面」「B面」に該当し、A面を「1st beat」、B面を「2nd beat」と呼び始めたのは今作からである。
(それまでは、他のアーティストと同様に「c/w」等と表記していた。)
このような表記に変更した明確な理由は不明であるが、おそらく楽曲に順位を付けることなく、単なる収録順であることを強調したいためだと思われる。
ファンなら当然の如く理解しているが、B’zにおける2nd beatは、「B面」や「カップリング」といった「オマケ感」をあっさりと拭い去り、1st beatを超える知名度や完成度を誇ることが度々ある。
それくらい良質な作品をオマケのように扱いたくない、あくまでも収録している順番が違うだけなんだというB’zの気持ちが伝わってくるようである。
イントロ
バンドインで始まるイントロは、初めから全力で軽快にアップテンポ、実に爽やかな仕上がり。
これから始まる最高の夜の時間にワクワクする歌詞の主人公(勝手に稲葉さんを想像)のように、聴き手である我々も、これから始まるキラキラとした爽やかな楽曲にワクワクしてくる。
松本さんが優しい笑顔で演奏しているロングトーンを主体としたリードギターがキャッチーに鳴り響き、気持ちよく体を左右に振って踊り出したくなる。
(星が輝く夜空に優しい笑顔の松本さんが映し出されて、女性との時間を楽しむ稲葉さんをニコニコと見守っている情景を勝手に想像。そして、松本さんが笑顔で弾いているのはあくまでも想像の範囲で、レコーディングが好きとは言え、おそらく真剣にレコーディングしていることを考えると実際にはメチャ真顔だろう。)
メロ
明るい雰囲気のトーンで稲葉さんがボーカルイン。
初期の稲葉さんの優しい丸みのある高音域が非常に気持ちよく、楽曲のキラキラとした爽やかさを更に際立たせてくれる。
稲葉さんのボーカルの合間に軽快に響く松本さんのクリーントーンのカッティングも、キラキラとしたサウンドであることに加えて、リズムの裏を強調しているため、否が応でも踊り出したくなる気持ちにさせてくれる。
Bメロセクションでは、唐突に訪れる転調が良いアクセントとなっており、世界観が一気に変わるような想定外のサウンドに、耳がグッと引っ張られてしまう。
そして、松本さんの歪んだギターが加わり、ピッキングハーモニクスを適度に取り入れながらロックテイストを強め、加速するようにサビセクションへ。
サビ
大勢の軽快な「HEY!!」の掛け声からスタートするサビセクション。
女性のコーラスが加わることで、楽曲に華やかさがプラスされ、より一層と色鮮やかさが際立つ。
そして、飾り気のないキャッチーなメロディーは、すんなりと耳に入ってくるような優等生タイプ。
万人に愛される、誰もが楽しめるような、安定した安心の作風である。
しかし、優等生タイプのメロディーは聴きやすい反面、耳に残るような癖がないため聴き手の記憶に残りづらく、何度も繰り返して聴きたくなるよう楽曲にはならない場合がある。
残念ながら本楽曲もまさしくその状態にあり、少なくとも私の場合は、何度も繰り返し聴くことがない、聴く機会が比較的少ない楽曲となっている。
(ちなみに、ここで言う「繰り返し」は「数百回」を超えるレベルの回数を指している。私は生粋のファンであるため、歌詞やギターフレーズを覚えるまで、最低でも「数十回」は聴いている。)
ただし、本楽曲はそんな聴き方がちょうど良いと思っている。
日頃の嫌な出来事をすっかり忘れて心から楽しめる優雅な時間は、ほんのわずかに訪れることがほとんど。
そんな人生と同様、余計なことを一切考えずに気楽に楽しめる本楽曲は、疲れを吹き飛ばしたい、嫌なことを考えずにスッキリしたい、余計なことを考えずに楽しみたい時の「必要時」に聴く程度で良い。
無理をして毎日聴いても、同じような価値観でこの明るいテンションを楽しむことなんてできないのだ。
薬のように、用法・用量を守ることオススメする。
ギターソロ
Bメロセクションのように唐突な転調で始まる間奏を挟み、ギターソロセクションへ。
ちなみに、楽曲を平坦せず、ガラリと世界観を変えるような間奏では、ラップのような語りのような稲葉さんと女性が掛け合ったボイスを楽しめる。
そして、爽やかに伸びるロングトーンのチョーキングから始まるギターソロは、心地よいロングトーンやチョーキング、ビブラートで溢れており、主張は控えめながらも、しっかりと松本節が楽しめる味わい深い仕上がり。
他セクションではロックテイスト強めの元気なサウンドであったが、ギターソロは、間奏でガラリと変わった控えめな世界観に合わせて、落ち着いた大人なテイストとなっている。
元気に弾ける少年のようなプレイと、じっくりと聴かせる大人のプレイ、贅沢にも両方が楽しめるのは、松本フリークとしては非常に嬉しいところ。
未聴の松本フリークは、この甘辛コントラストを今すぐにでも楽しんでほしい。
<まとめ>
明るく爽やか、キラキラとした鮮やかさを持ち、軽快に跳ねるようなリズムで、楽しさを存分に感じながら自然と体が動き出すような本楽曲は、余計な考えを捨てて誰もが楽しめる安心の一曲である。
また、本楽曲は、改めてB’zの音楽性の広さを感じさせてくれる楽曲でもある。
B’zの可愛らしい、POPな一面を知ることができる貴重な一曲だ。
骨太なハードロックに疲れてしまったファンは、ぜひこの可愛さに触れて癒されよう。
そして未聴の方は、身構えることなく、できる限り自然な姿勢で聴いていただきたい。
難しいことは考えずに、とりあえず楽曲に身を任せてほしい。
きっと体が自然と動き出し、明るく晴れやかな気分になってくるはず。
踊るのがはずかしい?照れる?泣きそう?
いやいや。照れないで、泣かないで。
徐々に楽しくなって、明日のあなたはきっといい天気。