Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、1stアルバム「B’z」の5曲目に収録されている楽曲、
「Nothing To Change」
を、自由に正直に語る。
価格:2,270円 |
オマエの求めてるものは 稲葉さんの担当じゃないよ
優しいイントロから始まり、サビに向けて徐々に力強くなっていく本曲。
それぞれのセクションでメリハリがあり、聴き手はグイグイ引き込まれる。
アウトロのギターソロでは、日差しが差し込むような情景や壮大さすら感じ、非常にまとまった仕上がりは、収録アルバムでも屈指である。
そして、本曲で最も驚く点と言えば「作詞」である。
なんと、本曲の作詞は稲葉さんではない。
亜蘭知子さんが作詞を担当されており、B’z楽曲で唯一、稲葉さんが担当していない楽曲なのだ。
(亜蘭知子さんは、作詞家・歌手・エッセイストであり、B’zの他にも、TUBEや西城秀樹、B.B.QUEENS等に作品提供をしているそうだ。)
度々、B’zや稲葉さんのプロフィールが紹介される際に、「B’zの楽曲の全ての作詞を担当」と紹介されることがあるが、厳密には「Nothing To Change以外の全ての作詞を担当」となる。
毎回、メディア等で「B’zの楽曲の全ての作詞を担当」と紹介される際には、「違う!違う!!Nothing To Change以外の全ての作詞を担当だ!!!」と、助手席で怒り狂っている。
とは言え、実際に厳密に紹介されると、「Nothing To Change?なにそれ?新曲?」的な空気になることは間違いないので、「やっぱり厳密に言わなくて大丈夫です。」と内心安堵している。
どうやら、当時の稲葉さんは作詞経験が浅く、作詞に限界を感じたため、亜蘭知子さんに依頼しているようだが、真相はどうなのだろうか?
亜蘭知子さんはいわゆる「ビーイング系」の人であったし、同レーベル内アーティストの宣伝としての起用であったとも考えられるが、真相はわからない。
さて、稲葉さんと亜蘭知子さんの歌詞の比較だが、内容等の完成度に大きな差異はないものの、ドラマ性は亜蘭知子さんに軍配が上がる。
曲のセクションが変わる度に、歌詞を変えて、ドラマ性を持たせている。
しかし、正直に言えば、当時の時点では亜蘭知子さんの圧勝で、完全なるビジネス作詞だ。
おそらく、亜蘭知子さんは、作詞が不慣れだった当時の稲葉さんの、他曲の歌詞の雰囲気や完成度に合わせて作詞をされている。
作詞が不慣れだった当時の稲葉さんは、歌詞に英語を多用しており、且つ、歌詞の内容や完成度も、現在と比べれば雲泥の差だ。
本曲のサビの始まりも英詞だし、歌詞の内容や完成度も至って普遍的で、特筆すべき点はない。
ただし、アルバム全体のクオリティにマッチさせているところは、さすが作詞家。良い仕事してます。
歌詞の内容が気になる方は、実際に本曲を聴いてみてほしい。
イントロ
さて、話を楽曲に戻そう。
冒頭でも紹介したように、本曲はそれぞれのセクションでメリハリがあり、非常にまとまった仕上がりである。
優しく包み込むようなイントロは、これから待ち受ける力強いサビまでの良い助走になっている。
癒されるようなサウンドは秀逸だ。
メロ
イントロから流れるように稲葉さんがボーカルイン。
ハスキーに優しく歌い上げる。
場面転換するかのように、Bメロのセクションからサビに向けて、楽曲と共に稲葉さんが力強くなっていく様は見事。
サビ
Aメロ・Bメロと徐々に力を増していき、サビのセクションでは、松本さんの歪んだギターも加わって、非常に力強い仕上がりとなっている。
また、亜蘭知子さんの冒頭の英詞のリズムが心地よく、サビの力強さに拍車をかけている。
メロディーもキャッチーで聴きやすく、他のセクションとは異なる世界観のため、聴いていて飽きがこない。
ギターソロ
ギターソロについても同様に、曲間とアウトロのギターソロで、しっかりとメリハリが付けられている。
曲間のギターソロについては、キャッチーではないものの、曲調に合わせて休符を巧みに利用した、松本さんお得意の泣きのギターを聴くことができる。
そして、アウトロのギターソロについては、ロングトーンが多用されているものの、過剰なビブラートがかけられていないため、非常に後味良く聴き終わることができる。
しかも、曲間のギターソロとは対照的に、マイナー調からメジャー調となっている。
最後まで場面転換を忘れない充実したアレンジで、何度でも聴きたくなってしまう。
Tell me What can I do?
楽曲、ギター共にメリハリがあり、聴いていて飽きのこない本曲。
稲葉さんの詞を聴くことはできないが、収録アルバム「B’z」をこれから聴くビギナーには、優先して紹介したい楽曲だ。
「Tell me What can I do?」とビギナーに聞かれたら、本曲を紹介し、「本曲を聴くことから始めよう」と答えよう。