Ryo’z on Guitarへようこそ。
本日は、1stアルバム「B’z」の6曲目に収録されている楽曲、
「孤独にDance in vain」
を、自由に正直に語る。
価格:3,212円 |
松本孝弘じゃないの?
本曲は、1stアルバム「B’z」の中でも、かなりお気に入りのファンク調の一曲だ。
なぜなら、「松本孝弘」というギタリストの魅力が詰まった「名刺」的な楽曲になっているから。
しかし、本曲を名刺として手放しに紹介できない理由がある。
今回は、楽曲の内容と併せて、その理由についても語っていきたい。
イントロ
終始、松本さんの様々なギタープレイを堪能することができる本曲。
まずはイントロで、キレのあるカッティングを堪能することができる。
そして、稲葉さんの気合の入った「ウゥッ!!〜ッ」も堪能でき、インパクトこの上ないイントロだ。
また、シンセサイザーによるベーズも、イントロのメインテーマになっている程の存在感で、イントロからワクワクさせてくれる。
メロ
イントロのテンションを保ったまま、稲葉さんがボーカルイン。
ハスキーな初期の稲葉さんの歌声がセクシーに響く。
本曲には、現在の稲葉さんの声質よりも、圧倒的にこの頃の声質がマッチしている。
一方、松本さんに関しては、煌びやかなクリーントーンのアルペジオと、爽やかな歪みによるバッキングが加わり、ここでも多彩なプレイを聴かせてくれる。
サビ
イントロ、メロセクションから更に加速するようにテンションを上げ、楽曲内における最高の盛り上がりをみせる。
女性によるコーラスがファンク色を強めており、楽曲に良いアクセントと華やかさ、そして一種の雑味を加えている。
ファンク調で砕けたような楽曲には、ちょい悪というか、チャラいというか、そんな雑味が必要なのだ。
また、松本さんに関しては、爽やかな歪みによるバッキングに比重を置き、サビの力強さと盛り上がりに貢献している。
蛇足ではあるが、サビ終わりの稲葉さんの「ベイベ〜♪」は、最強の可愛さであるため、必聴&必聴。
ギターソロ
本曲のギターソロは、ブレイクを挟んだ後に始まる曲間と、アウトロの2セクションで聴くことができる。
ブレイクセクションでは、強烈にエフェクトが掛けられたドラムの裏で、スティーヴ・ヴァイを彷彿させるかのようなサウンドによる速弾きのギターソロを、ひっそりと聴くことができる。
そして、稲葉さんの「ダンス!!」の掛け声と共にブレイクが開けて、爆発の如く松本さんのダンス、いや、ギターソロが始まる。
お得意のチョーキングとビブラートで、サウンドに様々な表情を付け、緊張感と緩急のある素晴らしいプレイだ。
そして、アウトロセクションにおけるギターソロについては、自由且つアグレッシブで、鬼気迫る渾身の砕けた松本さんのプレイを聴くことができる。
松本フリークで未調であれば、必聴&必聴。
まだまだ聴いていたい気持ちの中、フェードアウトするところがなんとも憎らしいが、腹八分目がちょうど良い。
松本孝弘じゃないの??
イントロのカッティングから始まり、煌びやかなクリーントーンのアルペジオ、爽やかな歪みのバッキングやギターソロ、果てには、スティーヴ・ヴァイを彷彿させるかのようなサウンドによる曲間のちょっとしたギターソロ等、常に松本さんの美味しいギターを堪能することができる本曲。
「松本孝弘ってどんなギタリスト?」と聞かれれば、本曲を名刺として紹介したいのだが、冒頭にもあるとおり、手放しに紹介できない大きな問題がある。
それは、本曲の「作曲」だ。
なんと、本曲の作曲者は松本さんではない。
B’zの楽曲で唯一、松本さん以外が作曲しているのだ。
(大槻 啓之さんによる作曲)
そもそも、「松本孝弘」というギタリストの魅力を大きく分けると、
- スタジオミュージシャンを経験したことによるリズムギターの安定感と、独自のタイム感によるチョーキングやビブラートを巧みに使った、表情豊かなリードプレイ。
- 数々のヒット曲を生み出すソングライターとしての一面。
上記の2点にあると思う。
となると、本曲で名刺として紹介できるのは①だけなのだ。
つまり、本曲では、「松本孝弘」というギタリストの魅力を、半分までしか紹介できないことになる。
これが本曲を名刺として手放しに紹介できない理由である。
しかしながら、①のギタープレイの面だけと限定すれば、自信を持って名刺として紹介できる楽曲だ。
是非とも松本ビギナーには本曲を名刺として紹介しよう。
なお、曲名の「孤独」から、後発の別曲「孤独のRunaway」との関連を期待させるが、サボテンも笑わないし、エアロスミスばりの「Like This! !」も言わないため、特段の関連性はない。
また、曲調としてはファンキーな部類に入るとは思うのだが、リズム隊ではなく、ギターが主役となっているため、ファンク色は思いのほか薄い。
大勢で本曲で踊れるかと言えば、心から楽しんで踊ることはできない。
だからこそ、「孤独にDance in vain」するのが丁度良いのかもしれないが、むしろDance in vainすらせずに、座って、じっくり松本さんの名刺的なギタープレイに耳を傾けて欲しい。